。」

目を開けると、そこにはLが居た。
辺りを見回したら、うっすらと光が漏れていて、
ううん、本当は全然首が、って言うか体が言うことを聞いてくれなくて。

視界いっぱいに広がるのはLの顔。
どうして、こんなに近いんだろう、考えていると頭を撫でられて。
おはようございます、と言われてやっとで気づく。



ひとつのべっどに、ふたりでねていること。







〜すきです〜







「おはよう、L。」

「随分、よく眠っていましたね。」

「そう…?」

「はい。だから…」


Lは、くすぐったくて体を捩る私を容赦なく引き寄せて、甘い声を出す。
Lの唇は少しだけ冷たくて、それでも触れているところは熱くて。
存分に心をかき乱しておきながら、そんなことお構いなしに。
私の顔にかかった髪を優しくどけて、耳元で囁く。


の寝顔が可愛すぎて、を放って仕事なんてできませんでした。」

「馬鹿…。」


可愛い、なんて。



私はそんなこと言われなれてないから、それだけで顔が火照ってしまって。
Lから視線を背けるんだけれど、なんせ、ここはベッドの上。
抱き寄せられている状態だから、寝返り打つこともできないし、
必然的に顔を背けたいなら、Lの胸に顔を埋めるしかない。


「照れてるも、可愛いですよ。」


Lは私が顔を埋めたことに満足したようで、嬉しそうに告げる。
背中に回された手は、力強いんだけど、優しくて。
あ、どうしよう、心臓、早いなぁ。聞こえてるよなぁ…。
なんて考えてみれば、くすり、頭上から苦笑。





顔は上げられないけど、分かる。
Lは、大きな瞳で、私を見て。
きっと、次に名前を呼ばれたら、私…。





?」

「な、に?」





Lは、やっぱり優しく、私を引き離すと、耳に唇を寄せる。

わざと、いつもわざと。



耳元で。










「好きです、。」

「え、る…。」

「好きです、大好きです。」

「恥ずかしいよ…照れるから、やめて?」

「やめません。」





何度も、何度も。

吐息の触れる距離。

Lの熱い吐息がかかるたび、私はいつも。





その熱に、声に。どうにかなってしまいそうになる。





。好きです。」

「や、ぁ…。」


時折、耳を甘噛みしながら。
Lは、続ける。



が、好きです。離したくないほど。」



私が。



「……も…す、き…。」

?」

「わたしも、Lが好き…。」



言うまで、

甘いお仕置きは続く。





もちろん、言えば済む、というものでもなくて。
それが了解の合図、ととったLは、一度、私の髪に音を立てて口付け、
反射的に上がった顎を捉えて、今度は口に。



本当に、溶けてしまうんじゃないかと思う。

それくらいの、酸欠になるほどの、濃い口付けを。










「える…」

「…何ですか?」

「好き、って…何度も言うの…恥ずかしくないの…?」


やっとで解放してもらえた口で、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
すると、心なしか上気した頬を緩ませて、Lは答えた。



恥ずかしくなんて、ありません。



「むしろ、それでが…」

「私が、何?」

「もっと私のことを好きになってくれるなら、何度でも言います。」


にっこり、笑ったLの顔が近づいてきて。

またわざと音を立てた口付けが、静かな部屋に響いた。







***あとがきという名の1人反省会***
甘い夢を書くのは久しぶり…。
むしろLは久しぶりですね。

好き、は魔法の呪文ですよ、ってことだけ伝えたかった。
最後のLの言葉を使いたくて、書きました。
だから、短め、安直。タイトルもひねりなし。(いつもだろ
ネタ提供者に大感謝です。ありがとう。

それでは、ここまで読んでいただき有難うございました。

2007.12.15 水上 空