何か、ぶっちゃけ面白くない!

マジで何で俺こんな不機嫌になったの!?
俺が悪いの?
違うよね?ってか絶対違うし!



絶対、のせいだし!



今回ばっかりは、俺だって怒ってるんだからなーッ!







〜俺的彼女流褒め言葉〜







いつものメンバー。いつもの寄り道。
いつも通りの、はず、なのになぁ。

隣を歩く俺の彼女は、ちっとも俺と話してくんない。


「隼人って、いっつもリーダーシップとっててかっこいーねー。」

「まぁねー。もっと褒めてくだパイv」

「うんうん、かっこいーよー。」

「センキューv」



まぁ、…元から俺の仲間とかとも、仲良かったし。
隼人もおちょーし者だし?…俺に言われるって相当だと思うけどね。
それでもリーダーシップとってて、俺なんかよりずっとかっこいいと思うよ。





「竜ってビリヤード上手くて尊敬するよー。」

「当然。」

「クールガイってところがまたかっこよさを上げるよねー。」

「…褒め言葉として貰っとく…。」



いつも冷静で無表情な竜。
それでもが話しかけるとちょっと嬉しそう。気のせいかな?
白い肌がちょっと赤く染まってんじゃん。
…竜、俺の彼女に手ぇ出すなよ?…なんて、ガキっぽい顔の俺が言ってもキマんないけどさ。





「つっちー、その身長分けてよー。あたしもかっこよくなりたーい!」

「…つーかかっこいいのは身長だけかよ…。」

「そんなことないよー、断然かっこいいって!」

「へーへー。ま、それが本心って事にしといてやるよ。」



身長だって小さいしなぁ…。マジでつっちーが羨ましい。
と並んだってあんまり身長が変わんなくて。
そういうのってちょっと辛い。つーか、気にしてる自分がカッコわりー。
つっちー、ホントに俺に身長くれよ。悩まなくていいくらい。





「ほれ、飲みもんやるよ、。」

「ありがとー、日向のその優しさかっこいいよー。」

「うれしいにゃんv」

「さりげない優しさは犯罪級だよー!ポイント高すぎー。」



日向みたく気が利く訳でもないし。
さり気なーく相手を思いやれる奴ってやっぱかっこいい。
うん、ポイント高いね。俺勝てねぇや。





あぁ、俺ってば。
相手に僻んでばっか。マジでカッコわりー。


でも。
よくよく考えてみたら、それってのせいな気がする。
だって、皆にかっこいい!って言いすぎだよ。
俺の気持ちも考えてよ。





俺、1回もかっこいいって、から言われたことないんだよ!?





じゃぁ、じゃぁやっぱ怒っていいんじゃん。

つーか、怒って当然だしね!















「じゃぁにゃー、タケ、ー。」

「うん、またねーv」


は隼人たちに手を振り返す。
俺もいつもならそうしてる。
でもなんとなくそんな気分じゃなかったから、踵を返してそのまま歩き出した。







「…タケちゃん?」


慌ててが追ってくる。
てててっと走ってるらしい足音。
振り返らずに、返事だけした。


「………………何?」

「どうしたのー?」

「…べっつに、何でもないよ。」

「…嘘だー、何でもあるよ。」

「……………。」


やっとで追いついたは、隣に並んだ。
…俺の袖を引いて、速度の調節。
ちょっとした仕草が可愛い。ホント好き。





………っ!?ダメダメ!俺は怒ってるんだから!

今日という今日はちょっと位可愛くても許さないって決めたんだ!





「どうしましたか。」

「…何でも、ないよ。」

「言いましょう。」

「言いません。」

「やっぱ何かあるんじゃん。」

「あ…、いや…。」

「なぁに?」





ぐぅ…ッ!
、首傾げないで!
一応俺のが身長高いんだよ?ちょびっとだけど。
可愛すぎ!可愛すぎるから!許しちゃいそうになるから!





…まだ許しちゃいけないって勝手に決め付けて、から視線を外す。
深めの深呼吸をして、たっぷり間をおいて。
やっとで作り出した真面目っぽい顔つきで、もう1度に向き直る。


「………あのさ?」

「うん?」

「俺、と付き合ってるよね?」

「うん、付き合ってるよね。」





ニッコリ微笑んでさらりと言われた。
…嬉しすぎ。可愛すぎ。…どうしよう…ギュってしたい。





でも、まだ怒りは消えてないよ。うん、そうだよ。頑張れ、俺!


「なのに、ってば竜とか隼人とかつっちーや日向も…ってか皆にかっこいいって言いすぎ。」

「…う〜ん…本当のことだし?」


コレも即答。
ね?って聞かれても、俺どう答えたらいいのさ。
かっこいいって言って欲しいの?

…仕方ないから少し拗ねながら、1番言いたかったことを言ってみた。
ってか、ちょっと位俺の気持ち分かって?


「俺は?」

「え?」

「俺は?俺は言ってもらったことないよ?」





かっこいいって俺だって言って欲しいんだよ?
からだから、言って欲しいんだよ?
お願いだから、言って?





「…タケちゃんはね、可愛いよ?」


が言ってくれたのは、いつも言われてきた言葉だった。
俺、可愛くないよ。
のが、うんと可愛いよ。



それにさぁ。
それ、褒め言葉に聞こえないんだぁ。


「嬉しくない。かっこいいが良い。」

「褒めてるのに。」

「男は可愛いっていわれても嬉しくないのッ!」

「可愛いじゃ駄目?」





駄目。
声には出さずに「可愛い」を完全否定。


だって、…隼人も竜もつっちーも日向も皆ズルイ!
俺だって、かっこいいって言われたいのに!


そっぽを向いて、拗ね度加減を上げてみたのに。
は俺の前に回りこんで、また首を傾げる。





あぁもう…ソレ禁止!今すぐ禁止!

かっこいいって言ってくれるまでは絶対禁止ぃ!(泣





「だ…ッ…駄目ッ!俺は、…俺だってからかっこいいって言われたいもん!」

「……………じゃぁ、かっこいい。」

「…じゃぁって、何さ。思ってなさそう。」


うわ、マジヘコむ…。
じゃぁって何さ?それに何その困った顔!





可愛すぎ…ッ…いや、うん、そんな顔されたらヘコむよ!





「………そんなこと、ないよ。」

「嘘だ。間が開いた。」

「…だって。」


だって何?
必死に怒った顔してに向き直る。
あからさま不機嫌って顔したハズなのに、は笑ってた。
ちょっぴり照れて、ほっぺピンク色。















「タケちゃんは、カッコ可愛いんだもん。」

「……え?」















良く意味がわかんないよ?

だって、可愛いから抜け出てないし?

に見惚れてて、何か良く聞き取れなかったし?


でも、でも。
最初の方、もしかして、聞き間違えじゃなかったらさぁ…。


「だから、タケちゃんは、カッコ可愛いんだって。」

「え、と…?」





そんな顔して言われたら、俺、怒れなくなっちゃうじゃん。
俺、に本気で怒れた事ないのに…。





「あたしの中でのタケちゃんはね?
身長がちっちゃくて、可愛くて。」

「…うん。」


「髪型が凄いキマってて、あたしにも教えて欲しいなーなんて思ったり…」

「…それで?」


「あたしには決まって優しいし、いっつもニコニコで、見てる方が元気になるし…。」

「………。」


「あたしの気持ち、一番に分かってくれるの。」

「当たり前だよ…。」





だって俺、のこと、大好きだもん。





「いっつも可愛いなって思うんだけどね。大好きだなって。」

「…うん。」





めっちゃ嬉しいんですけど?





「可愛いタケちゃん好きだけど、やっぱりかっこいいし。だからカッコ可愛いにしたの。」

「……………。」


「今のは気に入ってくれた?タケちゃん。」

「………うん。」





もう、顔緩みまくり。
多分、顔真っ赤。
全部、が悪いんだからね?





「良かったーv」





そんな顔して笑うから。





ー。」

「何ー?」

「大好き。」

「うん、あたしも。」



が、好きだよって言ってくれる高さの声を出して。

…まぁ、ソレは高めだから、かっこよさとはかけ離れてるけど。

が、好きだよって言ってくれる表情で。

ギュって抱きしめて。閉じ込めちゃう。

ピンクのほっぺに断りなしにキスをする。



真っ赤になったは、やっぱりメチャメチャ可愛かった。
うん、俺もうご機嫌。拗ねてないよ。

意地悪してごめんね。ヤキモチ妬いてごめんね。

大好きだよ。



「真っ赤な、可愛いー。」

「…ありがと。タケちゃんもカッコ可愛いよー。」



チュッってわざと音を立てて、今度は唇にキスをして。
もう1回、2人で一緒に真っ赤になって。
手を繋いで。照れ笑いして。
一緒に帰り道を歩いていく。










かっこいいでも可愛いでもない。
に言わせると俺は、カッコ可愛いんだって。


何か、一挙両得ってやつ?1粒で2度美味しいってゆーかさ?
…何か、良いね。嬉しすぎなんですけど!?



俺、この言葉気に入っちゃった。
だから、これからももっと言って欲しいな。



俺的彼女流の、褒め言葉。



あ、勿論。
言っていいのはだけ!
言われていいのは俺だけ!

………俺だけ特別なんだからさ?
ねぇ、いいでしょ?







***あとがきという名の1人反省会***
いえーぃ。反省中の水上 空です。
とうとう手をつけてしまいました。ごくせん。
もうホントタケが大好きで大好きで…。
可愛らしいタケを書きたい!という欲望に勝てずに…(泣
書きたかったネタ…ちゅーか、嫉妬するタケ!が書けて幸せです。
文章力が人並みにあればもっと幸せだけど…orz
と、取りあえず、機会があったらまた書きたいです、ごくせん。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

2005.10.12 水上 空