「ちょっと、比乃?」

「なぁに〜?」

「離れる気はないの?」


昼休みの屋上で、ご飯を食べた。
晴れの日が続いたのも久々だし。
風が優しい日も、本当に久々だった。

屋上でちゃんとお昼。
本当に大切な時間なんだ。







〜馬鹿でもいいよ。〜







「だって、淋しいじゃん。」


クラスで食べるお昼も好きだし。
司馬君やお猿の兄ちゃんとわいわいやるのも好き。
それでも、彼女と食べるお昼はやっぱり格別でしょ?

ムーっと膨らましたほっぺた、ちょっと痛い。
呆れた顔で、ちゃんはほっぺをつつく。



ほっぺにためた空気を抜くと、ぷしゅっって小さく音がした。



「あのね〜…だからってさぁ。」

「うん?」


僕はニッコリ微笑んで、君を。





「何で、膝枕な訳?」





見上げた。



膝の上の僕の頭を、呆れながらも撫でてくれる。
髪の間を行き来する手が、僕よりもちっちゃくて。
柔らかくて、暖かくて。



大好き。



手を緩く掴むと、逃げる訳でもなく重ねてくれる。
安心する、優しさが、僕は大好き。





「だって。」

「何?」





足に擦り寄ると、小さくちゃんの身体が跳ねた。
言葉ではちょっと迷惑そうなのに。
僕なんか簡単に落とせるはずなのに。


「こうしてたら、どこにもいけないでしょ?」

「…ほんとにね。」

「僕と一緒に居てくれるでしょ?」





それでも傍に居てくれる。

それでも、僕を選んでくれた。

君の手のひらを頬に添える。

嫌がることなく受け入れてくれる。

頬を摺り寄せるとくすぐったそうに笑った。





「馬鹿比乃。」

「馬鹿でもいいよ〜。」










幾らでも馬鹿になれるよ。

甘えさせてくれるちゃんが居てくれるから。
いつも優しく癒してくれる、ちゃんが居るから。



どれだけ、馬鹿って言われても良いよ。

言われるだけ、ちゃんの傍に居られるなら。
言われるたび、ちゃんの傍で笑えるなら。



ちゃんが好きだよ。



この…君の手に。伝わってる?

あふれ出る想い。










もし君に伝わっていたなら。

君は、言ってくれるんだろう?

そうしたら、僕は。





「ねぇ?」

「なぁに、ちゃん。」

「大好きよ、比乃。」




跳ね起きて、抱きついて。

ちゃんに、甘いキスを送るんだ。




きっと、ちゃんは受け入れてくれるから。







***あとがきという名の1人反省会***
初比乃は拍手夢でしたv
と言うことで、ちょっと短いですがお届けです。
屋上で膝枕と言うネタを…甘えんぼ白比乃でv
原作はさんざ黒い黒い言われているのですが、
私の中での比乃は可愛いままです。
ウサギの名に恥じぬくらい淋しがり屋で甘えんぼ…。
そんな可愛らしい比乃をご賞味ください(変な勧誘すんな

それでは、ここまで読んでいただき有難うございました。

2006.01.02加筆修正 水上 空