◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ お読みになる前に(注意点) これは夢小説ではありません。 今回、もしもシリーズと題しまして、2次創作を行っております。 テーマは『ゴーイングメリー号にテレビがあったなら』です。 設定の都合上、ワンピースのキャラは、 日本で放映されている番組を多々見ています。 その点をご理解頂いた上で先へお進み下さい。 果てしなくギャグです。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 海の上の馬鹿者達 〜もしもテレビがあったなら〜 チャーチャラチャチャーチャチャー♪ 激しく鳴り響く応援歌が、船内を駆け巡っていた。 テレビの前に座っているのは、ウソップとゾロの2人。 ウソップは目を輝かせて、ゾロは青筋を浮かせて。 熱心に見ているのは、野球中継だった。 「うっしゃー!満塁だー!」 「…るせーぞ、ウソップ…。黙って見とけ…ッ!」 「だってよ!巨●、めっちゃチャンスだからしゃーねーって!」 「……………。」 「しっかも次は4番だろー?くぅー…勝つぞ、今日は!!」 はしゃぐウソップは、ソファーから立ち上がって、ガッツポーズ。 …それを見て…ゾロはキレた。 今にも射殺さんとばかりの目をウソップに投げる。 「………テメ…俺は○神ファンなんだよ…!!解ったら黙っとけ!!」 「いーだろ別に。………そう巨●の強さを僻むなよ。」 「テメェ…もっぺん言ってみろや、あぁ!?」 今にも殴りあいに発展しそうなこの状況。 それを最初に止めたのは。 ピッ 「あー………間に合ったァ。」 「「って何勝手に変えてンだよ、テメェは!!」」 ルフィがチャンネルを変えた音だった。 「え、だって見てねぇンだろ?」 「「見とるわ、ボケがぁ!!」」 「見てなかっただろー。」 「どう見たらそう見ちゃったんだ、ルフィ!」 「喧嘩してたじゃねぇか。」 「「してねぇ―――ッ!!」」 再びリモコンを奪ったゾロ。 ウソップと声をそろえて抗議するが、それも長くは続かなかった。 言い争う3人の後ろから、愛用の獲物を握り締めた人影が1つ。 気配を消して、3人に近づくと。 「十分しとるわ!!」 ガスッ ドゴッ バキィッ!! 手加減抜きで、ゴーイングメリー号の女王、ナミは3人の後頭部を殴りつけた。 一瞬地に伏せて静かになった3人に、安堵の息を漏らしながらナミは言う。 「…ったく…船上で騒ぐんじゃないっつの。」 「「「だってこいつ等が!!」」」 「…だから五月蝿いって言ってンの!!」 ドカッ メキッ バシィッ!! すぐに復活した3人に、ナミはまた獲物を振るう。 「そんで?何が原因なのよ、一体。」 「「「テレビ。」」」 不死身の3人がブスッとした顔で答える。 そこへ1つ新たに影が加わった。 ナミとは反対に、優しく語り掛ける。 「…なら、じゃんけんで決めたらどう?」 「おぉ、ロビン。…頭いいなぁお前!」 「フフ…ありがと。じゃぁ、そうね…3回勝負とかで…」 「「「よし、乗ったぁ!!」」」 提案の途中で、3人はそれに乗ることにしたようだ。 すっくと立ち上がると、こぶしを挙げて戦闘態勢に。 …だが、ここからが彼等の阿呆なところであった。 「30回勝負だな!?」 「1番多く勝ったやつに従えよ!?」 「え、30回勝つまでじゃないのか?」 「…いいから始めようぜ。」 「じゃぁ30回勝ったやつに従うってことで。」 「「おう!!」」 「え、ちょ、ちょっと皆…?」 「「「じゃんけん、ぽん!あいこでしょっ!」」」 「3回勝負って言ったんだけど………。」 「「「しょっ!しょっ!しょっ!」」」 「いーのよ、ロビン。やらせとけば。」 「でも…。」 聞き間違えだと訂正を入れようか、迷うロビンにナミは言った。 心配そうに3人を見るロビンを置いて、テレビに直行する。 ナミとロビンにはこの状況こそが、望ましいものだった。 …テレビは、今は空いているのだ。 ピッ と、そこへ。 「あー…サッカーもう始まってンな…。」 サンジがチャンネルを変えた。 どっかりとソファーに腰を下ろす。 普通なら諦めなければいけない状況である。 が、そこはナミの腕の見せ所だ。 …スッとサンジの後ろに寄ると、ソファーの裏から話しかけた。 勿論極上の笑顔は忘れない。 「サンジ君。…サッカー見てるの?」 「あ、ナミすゎんvv」 「ねぇ、サンジ君。お願いがあるんだけど。」 「何でしょう!?」 「事件モノ見ちゃダメかしら?」 「勿論いいっスよーv嫌なんて言うわけないじゃないっスかぁvv」 目をハートに輝かせたサンジに、ナミはにっこりと微笑んだ。 その間に、今だ3人の抗争を見ているロビンに声をかける。 「有難うv…ロビーン?もう放っておいておいでー?」 「………でも………。」 「「「しょっ!しょっ!しょっ!」」」 「青首大根検事、見るんでしょー?」 「すぐ行くわ。」 その時、ロビンの瞳がキラリと輝いたという(サンジ談) 「「「しょっ!しょっ!しょっ!」」」 何度目か…数えるのも面倒なほどのじゃんけんの結果。 「うっしゃぁ!俺の勝ちだ!アニメだァ!アニメ見せやがれー!」 ルフィの雄たけびが上がった。 同時に、敗者2人の悲痛の声も。 「………チッ………。」 「うー…折角巨●が勝ってたのにー…。」 「○神は負けてねーぞ。」 「あんだとう!?」 「…戦んのか?」 「…じょー…ッ等じゃねーか!戦ってやらァ!」 再び掴み合いの喧嘩に発展する時。 「なー、動物奇★天外見ていーか?」 ホワンとした声が、3人に掛かった。 声のほうを見ると、チョッパーが目を輝かせて佇んでいた。 「…ダメだぞ、チョッパー!俺が今からアニメ見ンだ!」 「…だってルフィの見たいの終わってるだろー?だから聞いてるの。」 「え!?」 「だってもう9時半だよ?」 「ぬあにぃぃー!?」 「はぁーっはっはっはぁ!ざまぁみろルフィー!」 「じゃっ、野球だな。」 「ぐぅ…ズリーぞ、お前等!」 「野球も今日は9時までだぞー。」 「………マジかよ。」 「じゃぁこの際スポーツニュースでも…」 「だめだぞ!!」 ジタバタと最後の足掻きをしようとする2人をチョッパーは一喝した。 身動きをする事も出来なくなった2人は、どうしたことかと動かない箇所を見やる。 するとそこには、トランスまでして2人を止めているチョッパーの姿があった。 「…オレがビデオ見るの!スポーツニュースは明日!!」 「俺のアニメー!!」 「「…るせぇ!!このアホ!!」」 「ギニャァー!2人がかりはズリーって!マジでェ!!」 チョッパーにぶつけられなかった怒りを、2人はルフィにぶつけた。 「パンダ可愛ーぃvふわふわだ、もこもこだv」 「あら、何見てるの?」 「パンダだよ、ロビン。」 至極嬉しそうに画面を見つめるチョッパーに、ロビンは微笑む。 同時に頭を撫でると、チョッパーは目を細めて喜んだ。 「チョッパーと同じくらい可愛いわね。」 「…うん!!」 「だーかーらー…船上で騒ぐなァ!!」 「そーだぞ!ナミさんの言うことは絶対だ、テメー等ぁ!!」 ナミの怒声と共に。 ドガッシャ―――ン!! 本日3度目の鉄槌が下された。 ***あとがきという名の1人反省会*** 突発的に書いたネタです。 ただ馬鹿馬鹿しいギャグが書きたかったんです。 何ていうか設定がおかしくてごめんなさい。 夢じゃなくてごめんなさい。 それでは、ここまで読んでいただき有難うございました。 2006.01.27 水上 空 |